物語自動生成 設定の自動生成

前の投稿では、出来事=「こと」について主に考慮しており、設定=「もの」を動的に変化させることには積極的には考えなかった。


理由としてはこの辺。
・ 設定そのものが物語性を含んでおり、出来事の物語性と衝突する可能性がある。
・ 設定に対応したリソースを作成するための作業量、手法が問題になりそう。
・ 製品レベルで考えた場合、魅力的な設定はユーザーへのアピールになる。
  設定が不定、となると得体の知れないものに見える(かも)。


この辺の問題をとりあえずうっちゃって、設定を動的に生み出すことを考える。

設定=「もの」とは何か


ものはもの。静的に存在し、認識可能なもの。
であるが、物語における設定としては、


・世界の一般法則 : 物理法則、科学、超常的なのも
・舞台 : 世界全体、星系、星、地域、国、町、異界
・自然現象 : 天気、季節
・人、物 : 人、人の集団、動物、植物、他、それらが作る物
・文化、歴史 : 文化、習慣、色々な過去の経緯


といった長期的な設定があって、さらに、


・登場人物の、身体的特性、経歴、人間関係、記憶など
・舞台の、成立〜現在に至る歴史、伝承など


といった短期的な設定が出てくる。


短期的設定の方を見れば分かるが、要は、これらは「こと」の結果生まれた/残ったものである。ということであれば、「こと」が動的に生成されれば「もの」も動的に生成される、という理屈になる。

設定の自動生成


※ スロットみたいに、ランダムに選んだ設定を適当に組み合わせて作る、という手もあるけど、それは今は考えない。


ある時点(=物語開始時点)での設定を自動生成したい場合、一番確実なのは、その世界の誕生からその時点までの全ての出来事を忠実にシミュレートする、ということになるだろう。こうすればとにかく不整合がなくなるはず。
ただ、それでも物理法則等は事前に決めておく必要が出てくる。これはもう決め打ちするしかない。
(SPOREを思い出した…)


ただ、それをやるのは大変そうなので、現実的には、長期的な設定を決め打ちにした上、物語開始時点から一定期間遡った時点を起点に「過去編」に相当する物語をシミュレートする、というのが取りうる手法と思われる。
この場合、「過去編」以前の設定は決め打ちで用意しておくことになるが。

試案


↑で言うところの「過去編」に、自分 or 他人のゲームプレイ結果をあてる形にしてみる。


・基本的に、前回の試案↓と似たような形態。
 物語自動生成 シナリオ動的生成ゲームの試案 - doitakaの日記
・作品全体としては数世代分(五世代くらい?)の物語が収まる形になる。
 過去の世代の出来事の結果を受けて、現行世代の設定が作られる。
 (一世代目は既定の設定でスタート)
・世代毎に一定の目標を設定しておき、世代単独で物語が完結するようにする。
 次の世代の開始までは一定期間のジャンプがある。


・基本ソロプレイだが、世代毎のプレイ結果データはオンラインで共有できるようにしておく。
 ユーザー間でリレー小説的にデータを受け渡していくことが可能。
・一世代分のプレイ時間は短めにし、繰り返しプレイを前提とする。(10時間程度?)
・プレイ結果データが、他プレイヤーから鑑賞可能になっていると望ましい。
・プレイ結果データを評価するシステムを仕込んでおいて、優れたプレイ結果を自動的にピックアップできるとよい。


まあ、死ぬ程がんばれば、できないこともないような気はするが…ネタ的には既出なのではないかという気もする。
世代間ジャンプとか、ロマサガ2なわけですが。やってないからよく分からん。