戦国コレクション8話 秀吉回の絵解き
さっき見た。
これはマジキチ回と言わざるを得ない…が、何かよくわからんけどとても楽しい。
秀吉ちゃんがとても良い。
けど、分からん分からん言っててもアレなので、ちょっと絵解きの努力をしてみる。
ちなみに元ネタは知らない、ので言及しない。
全体の構成
基本は異界訪問譚である。
岩の伝説が語られる
↓
岩で秀吉が踊る
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秀吉が異界に迷い込む
↓
色々ある
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秀吉が現代に帰還する
で、異界は死のイメージを持っている。(端的には利休との会話に表される)
伝説は、飢饉と、人身御供としての少女、という負のイメージを秘めている。(秀吉の語り口がアレでそう見えないが…)
異界から帰った秀吉は、神官のような「いい着物」を着て、米を出し放題の神的能力を得て戻ってくる。
これは、歴史上の秀吉の在り方と対比して見るのが妥当だろう。
飢饉の上の人身御供=最底辺の立場
↓
死の危険と隣合わせの境遇=戦国時代の色々
↓
お米の神様=天下人
こんな感じ。
そもそも、作中の秀吉ちゃんが何でこんなに米キャラなのかと言えば…そりゃ農民出身だからか、そりゃそうだ。
だとすれば、道中で信長と一緒だったこと、信長が途中で消えたこと、も歴史との対応と見れそう。
今見なおしたが、秀吉が穴に落ちるときに、
クワ→鎧(足軽の?)→刀→茶釜?
って絵が順に出てくるのも、なんかそれっぽいかなぁ。
救世主というキーワード
異界に入った秀吉は「1万人目のお客様」で、「救世主かもしれない」と言われる、米に。
救世主の条件は何か、米を知っていること。
食堂?の場面では、米を斬ろうとする信長と、米を知り問いに答える秀吉が対比される。
カカシのシーン。
寸劇は…分かんない。「祈る手」ってどっかで聞いたような。
「悲しみを癒すのが救世主」と言われる。
利休のシーン 〜 米麦戦争 〜 ラスト。
怯えて逃げる秀吉と、麦を斬りまくる信長。
カカシ再登場、死と滅びの話、「彼等は死の前に彼等のつとめを果たし滅びたいのです。そしてそれを行う人こそ救世主その人なのです」。
そして、「米を炊く」秀吉。ここで神に転身する。
燃える麦、燃えるバッタ、燃えるカカシ、燃える世界。
「下は地獄だけど、この中は天国」と言ってホクホク顔で米を食べる秀吉。
シンプルにだが、米=人、という対比を行えば、すっきりするか。
米=人を知る者が天下人である、と。
米を炊く=人に望むものを与える、くらいで。
巨大な力として描写されながらも、最後に火に包まれたバッタは、信長と見るべきか?
カカシ=利休?
ただ、地獄から一目散に逃げて、一人天国に到った秀吉の姿は、ハッピーエンドと単に呼ぶにはあまりに色々なものを負っているように見える。
まとめ
最初はかなりポカーンだったが、落ち着いて追ってみれば筋はそれなりにまとまってるような気がしてきた。
ただ、まあ、こんな絵解きをやらなくても、初見でも何か分からんが面白い感じはあった。
ハチャメチャな筋ではあるが、信長が信長らしく、秀吉が秀吉らしく描かれていることで、キャラ立ちが良かったせいかも。
やっぱ、秀吉ちゃんの場の支配力が抜群だった…か。
初見では筋が追えないくらいの語りの豊穣さというのは、すごい、と言えばいいのかなぁ。
とにかく良い。