ラブプラスはARGか

発端:数ヶ月ぶりにラブプラスを起動した。理由は自分の誕生日が近いから…

現実の「代替」

ラブプラスがARGか、というと多分違うのだけど、プレイヤーの現実世界での出来事に対して意味付けが行われる、という点は感覚的に近いものと思われる。


具体的には、「クリスマスが近いからプレゼントを買っておこう」とか「13:00からデートだ」とかの時間に対する意味付け。
これが、プレイヤーの現実世界での「ゲームを起動する」という行動に対して影響を与える。そしてプレイヤーが喜んだり悲しんだりする。


この「意味付け」というのが、「現実代替ゲーム」の「代替」に相当する概念ではなかろうか。
ただ、この手の現実の事象に対する意味付けという行為は、社会、文化、宗教etc.がやってること。
ラブプラス内で「12/7〜12が期末試験期間である」ということと、「2/9は肉の日である」ということに差はない。

何をもってARGとするのか

現実代替ゲーム的なものの流れをこんな感じ、とすると…


1.ターゲットの選択
2.ルールの周知
3.タスクの提示
4.結果の取得 and リアクション


例を考えると…


ラブプラス
1.所有者
2.彼女との付き合い方、ゲーム中で説明
3.デートしろとか、電話しろとか
4.彼女が喜ぶ、プレイヤーも喜ぶ


●鬼ごっこ
1.この指とまれ的な何かで集まったメンバー
2.ジャンケンで負けた奴鬼な、タッチしたらされた奴鬼な
3.悔しかったら追いついてみろや
4.ちくしょーつかまった、俺が鬼かー


●サッカー
1.2チーム22人
2.ゴールにボール入れたら1点
3.試合開始!
4.1−0でAの勝ち


●福男
1.例の神社に集まった人
2.開門後最初に本殿に入った人が福男
3.開始!
4.○○さんが今年の福男になりました


●選挙
1.選挙権がある人
2.一人一票、得票数の多い者が当選
3.投票してください
4.○○さんが議員になる



余計分かりにくくなった気がする…が、要は結構何でも当てはめられてしまうな、ということ。


では、何をもってARGの特徴とするか。
おそらく、「代替」のやり方(=設定するルール)の自由度、創造性ということになるのではないか。


上記の例だと、選挙ではルールが厳密である必要があり、創造の余地はない。遊びでやってるわけじゃないから。
福男の例も、伝統行事としてルールが固定されており、やはりここに創造性はない。
逆に、子供が鬼ごっこをするケースを想定すると、ルール自体を作り変えながらプレーする、というスタイルが可能になってくる。
「俺は今バリアー状態だから、この段に乗っている間はタッチされても鬼にならないんだよ!」とか。
さらに、”ままごと”のようなケースだと、プレイヤーが役を演じながらアドリブで設定やら物語やらを作っていくわけでノールール、ガチンコ創造的プレイである。


うーん、よーするに、ARGはゲームの背景・ルールを含めた1セットが消費されるもの、と考えるべきということだろうか。
ルールは固定でシナリオは消費、っていうTRPGみたいな形になるものもあるかもしれないが。


で、ラブプラスについては、現実との連動要素があるため素地はあると言えるかも、くらいだろうか。
エスト配信的なことをやれば或いは、といった所だが…1ユーザーとしてやって欲しいと思うかというと…ビミョー

そんな感じ。



※ 英語版Wikipedia の説明でも、narrative って言ってた。見てみて気付いた。
  一周回ってスタートに戻った気分。

An alternate reality game (ARG), is an interactive narrative that uses the real world as a platform, often involving multiple media and game elements, to tell a story that may be affected by participants' ideas or actions.