メタ・アプリケーションとしてのWebブラウザにおけるパラダイムシフト
Webページは単なる文書ではなく、今やアプリケーションである。
WebページをコンテンツとするメディアであるWebブラウザは、アプリケーションの実行環境であり、メタ・アプリケーションと言える。
然るに、「進む」「戻る」「閉じる」「アドレス入力」等の、アプリケーションが制御すべき(場合がある)操作を、メタ・アプリケーションが特権的立場でユーザーに実行させている、という状況は、時に、ユーザーへと不利益を与える結果に帰結する。
要するに、「フォームへの入力中に戻るボタンを押しちゃった」みたいな事態である。
Webページがアプリケーションとしての力を強くしている昨今、メタ・アプリケーションは微細な「特権」を手放すべきである。
ユーザーの利益、安全性を保証することにのみ「特権」を公使するべきであり、アプリケーションが持つべき権利を侵害するべきではない。
例えば、iOSデバイスのように、「ホーム」ボタンのみを持ったWebブラウザが考えられる。
・ デフォルトで起動させる「ホーム」アプリケーションに、他アプリケーションへのリンクや、URL入力によるアプリケーションの直接起動機能を持たせるが、メタ・アプリケーションのレベルでは、緊急脱出以外の操作に対応しないようにする。
・ 「進む」「戻る」等の基本操作は、メタ・アプリケーションが、アプリケーションに貸し出す。だが、意思をもったアプリケーションは、貸し出しを拒むことができる。
或は、タブしかないGoogle Chromeのようなブラウザ。
メタ・アプリケーションが提供する操作は、「タブの切り替え」「タブの移動」「タブを閉じる」だけである。
……あれ、Chrome OSってそういうことじゃねぇの。